2010年09月19日

和解への道 映画≪父の大罪 〜麻薬王パブロ・エスコバル≫

p_escobar.jpg第7回 ラテンビート映画祭で≪父の大罪 〜麻薬王パブロ・エスコバル≫を見てきました。(写真はパブロ・エスコバルと息子セバスティアン・マロキン)

パブロ・エスコバル(1949-1993)といえば、世界最大の麻薬組織メデジン・カルテルを創設したコロンビア・マフィアの伝説的大ボス。米国には目の敵にされていたけれど、地元では、コカインの密輸で得た巨万の富をもって、貧しい人々に住宅を提供したり、サッカー場を作ったり、ロビン・フッドにたとえられるような一面も持っていました。彼はやがて政界へ進出し、大統領の椅子を目指すようになります。
しかし、彼がマフィアのボスであることに気付いた(コロンビアの)政治家たちの勇気ある行動によって政治への道を阻まれるや逆上。反対者たちを暗殺し、コロンビア全土を内戦に追い込み、ついには自らも44歳にして殺害されたのでした。

ここまでが映画の前段階。この作品はパブロ・エスコバルの息子セバスティアン・マロキン(1977-)による贖罪のドキュメンタリーなのです。
家では優しい父親であったエスコバルの死に、まだ16歳だったセバスティアンは初めこそ「復讐」を口にしますが、自らも命を狙われ(少年の首に120万ドル(←たぶん。数字あやしいです…)の懸賞金!)、母と共に秘かに隣国へ逃れ、偽名を使って生活するなかで、父とは違う道――復讐ではなく和解――を模索するようになります。15年後、セバスティアンは、この映画のクルーを仲介役に、父親が殺害した政治家の遺児たちに謝罪を申し入れ、遺児たちも戸惑いつつ、彼との面会を受け入れるのでした。そして・・・

上映の後、舞台挨拶に立ったセバスティアン・マロキン。自らの罪によらず、父親の罪によって、すべてを失い、逃亡生活を強いられた彼自身も「被害者」であるのに・・・ エスコバルの死後もコロンビアを覆う暴力の歴史を断ち切るべく、静かな情熱を持って和解への道を模索する彼の姿は感動的でした。この後、京都と横浜でも上映されるそうです(京都では舞台挨拶もあり)。お近くの方、ぜひ劇場にお運びください! 詳細はこちら。ちなみに映画祭では他にもおもしろそうな作品がたくさん上映されます。オススメ作品についてはこちら。 
posted by beata at 21:18| ラテンアメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする