2017年03月31日

≪羊とヤギ≫のCD「O Terra(大地よ!)」と4月2日のインストアライヴ&サイン会 @渋谷タワーレコード

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遅ればせながら、年末にリリースされた富田牧子(チェロ)とコスマス・カピッツァ(パーカッション)のデュオ≪羊とヤギ≫のCD「O Terra(大地よ!)」をご紹介します。これは、中世ドイツの修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの音楽と思想に触発され企画されたシリーズCD(全4巻)の第1弾で、「土、大地」をテーマに、ヒルデガルトの音楽のほか、ハンガリーとその周辺の民俗音楽と、それを取集・研究し、高度な芸術にまで昇華した現代ハンガリーの作曲家バルトーク、コダーイ、リゲティの作品、そしてパーカッションの即興演奏を収録しています。

中世の音楽をセッションすることから始まった≪羊とヤギ≫は、そのなかで12世紀ドイツの修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンと出逢いました。霊感に富み、医術に長け、神学・哲学書を著し、賛歌を作詞作曲した当代きっての賢女であった彼女の活動の基盤には、四大元素[土、水、空気(風)、火]が万物を構成し互いに関連して作用する、という古代から伝わる考え方にあったそうです。今回のCDは四大元素のひとつ「土」から「大地」をテーマにしています(今後、「水」「空気」「火」をテーマに制作予定)。

パーカッションのコスマス・カピッツァはドイツと日本を行き来しつつ育ったそうです。10代半ば、学校のオーケストラでヴィオラを弾いていた頃にコンガドラムと出逢い、ミュンヘンのパーカッションスクールに入学。その後、日本へ移住し、主にポピュラー音楽の分野で活動してきました。「オルケスタ・デ・ラ・ルス」のワールドツアーに2年間参加したほか、「葉加瀬太郎」「アガルタ」「熱帯JAZZ楽団」「Mamadou Doumbia & Mandinka」「bird」「minga」「長谷川きよし」「UA」など多くのアーティストとライブ/レコーディングを行っています。
彼の自然体の演奏は生きたリズムそのもの。まるで森の中で聞こえてくる様々な音――川のせせらぎや木々のざわめき、鳥の鳴き声や動物の物音、あるいは雨雪や雷鳴――のように、その瞬間瞬間に新しく、独自なものでありながら、自然の摂理にかなっています。ニュアンスに富んだ超弱音から全身のエネルギーを一度に解き放ったような大音量(しかし決して耳にはうるさくないのです!)まで、レンジが広く緩急自在、よいバイブレーションに満ちていて、快い。CDに収められたパーカッション・ソロの即興演奏ではこうしたコスマスの魅力を存分に味わうことができます。

一方、クラシック畑で教育を受け、活動してきた富田牧子の、コスマスに引けを取らないリズム感の良さにも驚かされます。クラシックプレイヤーは往々にして楽譜の忠実な(機械的な)再現に留まりがちだけれど、彼女は民俗音楽が楽譜に落とし込められる以前の、より複雑なリズム、より根源的な音楽のエッセンスを生き生きと甦らせます。
そして、チェロ独奏曲として難曲中の難曲とされるコダーイの「チェロソナタ」やリゲティの作品も、彼女が演奏する時には民俗音楽と直接的につながり、そこには「難解さ」などではなく、彼らの民俗音楽に対する深い敬意と愛情が立ち昇るのです。民謡が芸術へと洗練され、どれほど高度な技術を要求されても、富田牧子は素足でしっかりと大地を踏みしめ、その温かみや冷たさを感じながら演奏しているかのようです。

CD「O Terra(大地よ!)」は現在、全国のレコード店やインターネットショップ(ヨドバシアマゾンなど)で好評発売中。ベアータでも定価2800円のところ直販割引2500円にてお買い求めいただけます。練習にいらした時にどうぞ。また、ご希望の方には郵送もいたします(別途、送料実費がかかります/カード決済はできません)。

そして、明後日4月2日(日)15時から渋谷タワーレコード7階イベントスペースにて≪羊とヤギ≫のインストアライヴ&サイン会が開催されます。お店なのであまり落ち着かないかもしれませんが、入場無料ですし、≪羊とヤギ≫ってどんなんかな、と気になっている方にはちょうどいい機会かと思います。その後、5月から各地へのライヴツアーが始まります。それについてはまた改めてご案内いたしますね。土臭さと洗練の極みが共存する≪羊とヤギ≫、その森林浴のような快さをぜひ体感してください!





posted by beata at 22:10| コンサートのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする